あまのじゃくの巨人伝説

さて、以前地方によって「あまのじゃくの姿などが異なる」(コチラ)(コチラ)という話をしましたが、今回はその中の「あまのじゃくという巨人が存在した」という伝説を取り上げたいと思います。
このお話は、神奈川県や山梨県、静岡県といった山の多い地域に伝わっているようです。
日本の巨人伝説は大抵「何某という巨人が山を作った。掘った後が湖になった」という風に語られ、山の由来として語られることが多いのです。だから山の多い地域に多く伝わっているのは当然のことでしょうね。
(巨人としてはダイダラボッチなどが有名ですね)
この巨人あまのじゃくも、やはり「○○山を作った」または「○○山を富士山より高くしようとして失敗した」と語られています。
ここには、人のいうことに逆らったり、悪事を働くようなずるがしこい鬼の姿はなく、多少短気だけれど気のいい大男、として描かれています。

さて、実は「神奈川県・静岡県には瓜子姫は採話できていない」という研究(『月刊昔ばなし絵巻』第4号や、山梨にはあまのじゃくやそれにあたる敵の登場しない瓜子姫がある(こちら)など、不思議とこの巨人あまのじゃく伝説の伝わっている地域では、瓜子姫は人気がないようです。
もしかしたら、気のいいあまのじゃくのイメージが強かったため、陰惨でずるがしこいあまのじゃうを想像することができなかったからかもしれないですね。
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