養父母の資産状況は?

 瓜子姫の養父母、すなわちおじいさんとおばあさんはどの程度の身分のひとだったのでしょうか?
 舞台は「町へ買い物に行く」という描写があることからおそらく農村であると思われ、そうするとおじいさんおばあさんは農民と考えるのが自然でしょう。

 ・割と裕福な農民である
 おそらく最低でも自分の土地をもっている自作農であったと思われます。
 まず、「子どもを拾って育てる余裕があること」
 極度な貧しさなら、それは無理な話です。しかも、機械がまったくない時代のこと。力のある男の子なら、「働き手」として育てることもあるでしょうあ、女の子ではそれも期待できません。ですが、ふたりは瓜子姫を幼女としています。
 つまり、おじいさんおばあさんには子どもを、しかも女の子を養えるくらいの財力があり、生活には困っていなかった、と考えても間違いはないでしょう。
また、瓜子姫が野良仕事を手伝う様子が書かれている話はまったくなく、瓜子姫は機織だけしかしていなかったとも考えられます。
 あまりにも貧しければ、昼間野良作業を手伝い、それが終わると機をおる、という生活になるでしょう。
 瓜子姫が重肉体労働をしない、つまり「箱入り娘=姫」になれるくらい、家には余裕があった、ということでしょう。

 しかし、いわゆる地主=豪農とまではいかないかもしれません。
 まず、いくつかの話で「村の長者」「村の庄屋」「地主」などと縁談が決まり「これはめでたい」とものすごく喜んでいる描写があります。おじいさんおばあさんが豪農であれば、ほぼ対等の、身分相応の結婚ということになり、そこまで喜ぶことはありません。どうみても、「玉の輿になる」ことを祝っています。
 また、瓜子姫をひとりで留守番にしていますが、豪農なら下働きのひとりくらいいるでしょう。
 それらのことから、決して豪農ではない、と考えられます。

 以上より瓜子姫の養父母は
 ・それなりに余裕はあるが、金持ちというわけではない中農。
 と考えるのが妥当でしょう。
 まさに、中流家庭。
 庶民的な瓜子姫、といったところでしょうね。

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