瓜子姫とカラス その2

カラス。
突然現れ、真相を告げるカラス。
もともと、殺された瓜子姫の魂の化身であり、瓜子姫が死なない話で出すのはナンセンス

と、いうのはなんども主張しました。
しかし、
カラスの立ち位置を再構築し、その登場と活躍に意味をもたせる、という工夫をこらした作品もいくつかみられます。

それらに共通したのは

カラスは瓜子姫に好感を持っている

というものです。

たとえば、
NHKで放映された人形劇「あまのじゃくとうりこひめ」。
ここでは、カラスの「カンどん」が登場し、普段から瓜子姫の友達として、一緒に遊んでいる、という設定です。
単なる脇役から、瓜子姫の友人と格をあげ、活躍のしかたも
「瓜子姫の危機を告げる」のではなく「くちばしで縄を切って瓜子姫を助ける」という大役をまかされています。
もともと、NHKの人形劇は脚色が強いのですが、ちょっとやりすぎかな、という感じもしないではないですね。

そして、「これはかなりいいぞ!」と思わせた脚色が
「昔ばなし絵巻」の漫画版「瓜子姫」 こちらhttp://www.mukashi.info/

柿を食べようとしたカラスは、柿をひとりじめしようとしたカラスに柿を投げつけて追い払います。それを見て可愛そうに思った瓜姫(なぜかタイトルは瓜子姫なのに、姫の名は瓜姫)は、木に登りカラスのために柿をとってあげます。
そのあまりのいいこちゃんぶりが気に入らないあまのじゃくは、瓜姫を木から落として……。
最後は伝承のとおり、からすが真相を暴露すうrのですが、これは瓜姫の優しさに感謝したカラスの恩返し、ととることができます。

このように、カラスを積極的に物語りに食い込ませる技法もなかなかいいですね。

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