琉球の伝説 瓜子姫との関連はあるか?
「沖縄には『瓜から生まれた少年が王になった』という琉球の伝説がある」という情報を入手し
調べてみたところ
どうも、情報に不正確なところがあったようです
瓜がキーアイテムとして登場する話があることはあるのですが、
瓜から生まれたわけではないんですね。
以下、この話を抄訳してみました
金の瓜 昔、琉球のある島に思鶴(=うみちる。または思樽=おみたる)という美しい女性がいた。彼女はその美しさゆえに首里の後宮にあがり、琉球王に寵愛された。 しかし、他の宮女たちはおもしろくない。そのため、ある行事のとき、誰かがおならをしたのをみなで思鶴のせいにした。 王は「大事な行事でおならをするとは許さん」と、思鶴の弁解もきかず、そのまま追放してしまった。 思鶴はしかたなく生まれ故郷に帰ったが、彼女は王の子を身ごもっており、やがて元気な男の子を産んだ。 男の子がおおきくなったとき、自分の父親のことを尋ねた。最初は口を閉ざしていた母も、少年の熱心さに負けて過去のことを話した。 少年は父である王に会うため、首里と向かった。その途中、海を流れていた箱を拾ったが、そのなかには瓜の種が入っていた。 少年はなんとか王に会うこおtができた。そして瓜の種をわたして言った。 「この種は、黄金に輝く瓜の種です。しかし、その瓜を実らせるには、生涯、絶対におならをしない人間が育てなくてはなりません」 王は笑った。 「この世に、おならをしない人間などいるものか」 「では、王様。おならをしたここが、なぜ城を追い出されるほどの罪になるのでしょう? しかお、それは別のひとがしたものだったにもかかわらず」 少年が昔のことをしっているのに驚いた王は、くわしいことを尋ねた。そして、少年が思鶴の息子、すなわち自分の子であることを知る。 思鶴を追放したことを後悔していた王は、そのことを知ってとても歓び、島から思鶴を呼び寄せるとともに、少年を王子と認め、自分の跡継ぎとした。 |
瓜の種ではなく、瓜を拾うタイプもあります。
まあ、瓜子姫とまったく別系統のお話ですね。
しかし、面白いのは『瓜の種が箱に入っていた』ということ。
瓜子姫のお話で
川をふたつの箱がながれてきて、おばあさんが「重い箱、こい」といったら、そのうちのひとつ、つまり瓜子姫の瓜が入っていた
というタイプがありますが、そのうちおばあさんがひろわなかった軽い箱が
瓜の種が入った箱だった
というのはどうでしょう?
箱はだれにも拾われず、海まで流れ、そして琉球まで流れ着いたのでは?
と、想像するのもおもしろいですね。
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