男の子の瓜子姫
瓜子姫のお話は、バージョンが非常に多いのが特徴ですが、その中には風変わりなものもあります。 とくに、岐阜県の一部に伝わる 『瓜姫小次郎(うりひめこじろう)』は、その最たるものではないでしょうか? 内容は おばあさんが川で洗濯をしていると、川上から瓜が流れてくる。 拾って帰ると、瓜の中から、男の子が生まれる。 なんと、 瓜子姫の男の子バージョンです! で、お話の続きは おじいさんとおばあさんは、その子に「瓜姫小次郎」と名づける。 ふたりがるすのときに、あまのじゃくがやってきて、小次郎を外へ誘い出し、木に縛り付ける。 しかし、小次郎は自力で脱出。あまのじゃくを騙し、逆に木に縛りつけてしまう。 という、まさに、鬼退治ストーリーなのです! おそらく、筆者とおなじように、「瓜子姫が活躍しないではないか」と考えたひとが昔もいたのでしょう。 しかし、昔のこと。やはり、鬼をやっつける強い子は、男の子でないと、ということなのでしょうね。 男の子の名前が「瓜姫小次郎」で、せめて、「瓜太郎」とか「瓜次郎」にしたらどうです? といいたくなりもしますが、つくったひととしては、「瓜子姫」のパロディ、といった程度の考えだったのかもしれませんね。 最近、桃太郎を女の子にしてしまうサブカルチャーがいくつかありますが、その逆が、すでに江戸時代以前に行われていたわけです。 貴重な記録ですね。 |