瓜子姫の寿命
瓜子姫があまのじゃくに惨殺される、という展開がとくに東日本には多い、ということはなんども述べました。 その場合、瓜子姫は非常な若さでこの世を去っているわけです。少なくとも、十代で。 しかし、場合によってはもっとすごいものもあります。 それは、 「瓜子姫は一口食べるごとに大きくなり、あっというまに年頃の娘になった」という展開をとる話があることです。 そして、その話が、桃ではなく柿を取りに行く話しの場合。 柿の実る季節なので、もちろん秋です。 そして、瓜は夏の果物なので、瓜子姫が生まれたのは夏でしょう。 ということは、 このタイプの話では なんと、夏から秋の数ヶ月しか生きていない、という驚くべき短命な計算になるのです! あまのじゃくが瓜子姫になりかわる話は思わず、「おい、じいさん、ばあさん、気づけよ!おまえら、瓜子姫の養父母じゃないのか!」 と突っ込みを入れたくなりますが、わずか数ヶ月しか暮らしていないなら、なるほど。気づかなくてもしょうがないかもしれないですね。 はなかいうえに、なんだか寂しいお話です……。 |
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